彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



「ばかね、神楽坂ちゃん。」
「な、なんだとコラ朝霧さん!?」
「しー!静かに!凛ちゃんと混浴したいなら、頭使いなさいよ・・・!」
「な、なんだと!?」
「いいこと?凛ちゃんに1番風呂を勧めたら、ころ合いを見計らって、裸で凛ちゃんがいるお風呂に突入するの。」
「はあ!?そんなことしたら怒られ――――――!」
「謝れば許してくれるわよ、凛ちゃんなら!要は、入ってしまえばこっちのもの!ただでさえ、寒い時期になってるのに、身体を震わせてるあたし達を、温かい浴室から凛ちゃんが追い出すと思う!?」
「う!?お、思わない・・・!」
「でしょう♪こうすれば、神楽坂ちゃんは凛ちゃんの髪を洗って背中を流せて、あたしは凛ちゃんの裸を見れ――――――あ、2人が仲良くしてるのを見守りながら、お風呂に入れるってわけよ♪」
「そっか!すげーぜ、朝霧さん!」
「モニカさんとお呼び!そういうわけだから、凛ちゃんが服を脱いで湯船につかるまで、待てばいいだけよ~♪」
「完璧っすね!?」
「ええ、凛ちゃんの同情を誘う完璧な作戦よ♪今度こそ、凛ちゃんのヌードを~うふふふ♪」
「あのーモニカちゃん・・・作戦、全部丸聞こえですよ。」
「つーか、神楽坂をダシに使って、テメーも凛と風呂に入ろうとするなモニカ!!」



〔★悪事は事前にバレていた★〕



モニカちゃんに肩を抱かれて耳打ちされている雷太の方まで近づくと、瑞希お兄ちゃんは2人にげん骨を落とした。



ゴン!

ゴツン!!!

「イテ!?」
「いったぁ~い!あたしの方が力強くない!?」
「オメーが黒幕だから当たり前だろう!?もういい!俺が凛が風呂入ってる間見張る!」
「え!?瑞希お兄ちゃんが!?」
「そうだ!俺じゃ安心できないか?」
「そ、そんなことないです・・・!」





瑞希お兄ちゃんが守ってくれるのは嬉しいし、万が一女子とバレても――――――――――・・・・そこから告白することが出来るから―――――――



(いいか。)





本音を言えば、お風呂場での告白って、はしたないから嫌だけど・・・



〔★普通、誰でもイヤだろう★〕



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