無自覚なまま、愛を蓄えて。

梓くんとの出来事は秘密にしておこうと思っていたので、真桜には笑って誤魔化した。


***


「……じゃあ、みんな準備はいーい?」


「おう!準備はバッチリだ!」


「ほらほら、優星もグラス持って!」


「う、うん……」



ザワザワと騒がしいひとつの部屋の中。その中には男女3人ずつ、計6人が集まっていた。私は言われるがままに、自分のジュースが入ったグラスを持つ。


それを見た真桜が声高らかに、カンパーイ!と勢いよくグラスを天井に突きつけた。


それが“合コンのスタート”の合図だった。



「それじゃあ、まずは自己紹介からね。俺からします!星稜高校の2年生の早乙女拓翔(さおとめたくと)です!よろしくね」



いかにもTheイケメンな彼が自己紹介をするとみんな順を追って自己紹介を始めた。


私は隅っこに座り、何も起きませんようにと願いながらひっそりと過ごそうとしていた。
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