無自覚なまま、愛を蓄えて。

私には小さい頃から好きな人がいた。今まで真桜にも黙っていたけど合コンに誘われて思わず言ってしまった。


でも、こんな気持ちのまま合コンに行っても楽しめないし……。



「えっ!?優星、好きな人いたの!?初耳なんだけど!」



恐る恐る好きな人のことを話すと案の定、真桜は驚いて顔を上げる。


まぁ、当然の反応だろうな……。


何せ今まで真桜に恋バナとかしたことないし、そもそも男友達なんていないと思われてるから。



「今まで黙っててごめん……。ちょっと事情があって隠してたんだ」


「そうだったんだ」



黙っていたことを謝ると真桜はキョロキョロと目を泳がせる。これで合コン断ったことになるのかな。


断れたことにほっとしながら、リュックを背負う。そろそろ学校でないとバイトに遅刻しちゃう。



「で、でも“まだ好きな人”でしょ?お願い!今回だけでいいから合コンに出て欲しいの!」


「わっ。ちょ……」
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