無自覚なまま、愛を蓄えて。
STELLA1

合コンの誘い



「合コン?」


「そう!友達のツテで他校の男子と合コンするんだけど、優星(ゆら)も来るよね!?」



放課後。


帰る準備をしていると友達の美澄真桜(みすみまお)がニコニコと笑いながらそう言った。話があると言われて聞いていたらまさかの合コンのお誘いでびっくりしてしまった。


荷物を詰め込む手が止まり、素っ頓狂な声を上げてしまう私は、戸惑いを隠せなかった。



「ね、お願い!女子がひとり足りなくて困ってるの!優星、彼氏いないから誘っても大丈夫かなって思ったんだけど……」


「……彼氏、は……いないけど……」



手を合わせてお願いする真桜は遠慮がちに聞いてくる。合コンなんて行ったことないし、そもそも私は男子と話すことすら苦手なのに。


私が行ったら多分盛り上がんないだろうな……。


それに。



「ごめん。彼氏はいないけど、私……好きな人がいるの。こんな気持ちのまま行けないよ」
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