腹黒御曹司の一途な求婚
「少し話が逸れましたが、回収見込みが乏しいばかりか、詐欺に利用すらされかねない資金を当行が融資する可能性は全くもってあり得ません。しかも、融資を取り付けるためにこんなものを使って、僕の大切な人を脅すなんて。実の父親といえど許し難い行為です。夫人共々、今後は一切、萌黄に関わらないでいただきたい」
凛とした声には有無を言わさぬ迫力があった。
ブリザードのような眼差しを受けた父はブルブルと震え上がっている。
「そ、そんな……!脅すだなんて……違うんだ、そんなつもりはなかった!」
「…………弁解する相手が違うんじゃないですか?」
父が思い出したかのようにハッとして私を見た。きっと私の存在なんて忘れていたに違いない。
「す、すまなかった、萌黄!そんなつもりじゃなかったんだ……だから、その……」
父が必死に詫びる姿を見ても、心は動かなかった。
「もういいの。だからもう、私に関わらないでほしい」
「萌黄……すまない、すまなかった……萌黄……本当にすまない……」
悲痛な表情で私の名前を呼ぶ父にやるせなさが募る。
(もう、遅いよ……)
そんな声で私を呼ばないでほしい。もう元に戻ることはできないのだから。
それでもこちらの情に訴えかけようとする父の顔を直視することはできなくて、視線を逸らした。
「話は以上です。行こうか、萌黄」
「うん……」
頷いて、立ちあがろうとした時だった。
凛とした声には有無を言わさぬ迫力があった。
ブリザードのような眼差しを受けた父はブルブルと震え上がっている。
「そ、そんな……!脅すだなんて……違うんだ、そんなつもりはなかった!」
「…………弁解する相手が違うんじゃないですか?」
父が思い出したかのようにハッとして私を見た。きっと私の存在なんて忘れていたに違いない。
「す、すまなかった、萌黄!そんなつもりじゃなかったんだ……だから、その……」
父が必死に詫びる姿を見ても、心は動かなかった。
「もういいの。だからもう、私に関わらないでほしい」
「萌黄……すまない、すまなかった……萌黄……本当にすまない……」
悲痛な表情で私の名前を呼ぶ父にやるせなさが募る。
(もう、遅いよ……)
そんな声で私を呼ばないでほしい。もう元に戻ることはできないのだから。
それでもこちらの情に訴えかけようとする父の顔を直視することはできなくて、視線を逸らした。
「話は以上です。行こうか、萌黄」
「うん……」
頷いて、立ちあがろうとした時だった。