花とリフレイン —春愁切愛婚礼譚—
第拾参話 敵意
***
十一月に入ると、大学はレポートなどの提出も多くなってきた。
「木花は後期からの授業もあるから大変でしょ」
大学の広い講義室で隣に座った香奈が言う。
「うん、去年まで授業自体あんまり真面目に受けてなかったし」
私は苦笑い。
「でも、いろいろ知れておもしろいよ」
「愛する旦那様のためだもんね〜」
「もー! そういうのやめてよ!」
こういうのは慣れてなくてつい照れてしまう。
勉強は大変ではあるけど、将来的に櫂李さんの役に立てるかもって思うと、目標ができて授業の内容も興味を持って聞ける。
それに櫂李さんのお金で通わせてもらっていると思うと、真面目に登校しなくちゃって気になる。
そう、彼のお金。奨学金を払ってもらうっていう条件のようなもので結婚しているからそれは当然なのかもしれないけど、現在の私は学費だけじゃなくて生活費も全部彼のお金。
好きに使っていいって言われてカードも渡されている。
貯金どころか借金スレスレの生活だったから、今は百パーセント養われている。立場や収入を考えたら、甘えてもいいのかもしれないけど……。
十一月に入ると、大学はレポートなどの提出も多くなってきた。
「木花は後期からの授業もあるから大変でしょ」
大学の広い講義室で隣に座った香奈が言う。
「うん、去年まで授業自体あんまり真面目に受けてなかったし」
私は苦笑い。
「でも、いろいろ知れておもしろいよ」
「愛する旦那様のためだもんね〜」
「もー! そういうのやめてよ!」
こういうのは慣れてなくてつい照れてしまう。
勉強は大変ではあるけど、将来的に櫂李さんの役に立てるかもって思うと、目標ができて授業の内容も興味を持って聞ける。
それに櫂李さんのお金で通わせてもらっていると思うと、真面目に登校しなくちゃって気になる。
そう、彼のお金。奨学金を払ってもらうっていう条件のようなもので結婚しているからそれは当然なのかもしれないけど、現在の私は学費だけじゃなくて生活費も全部彼のお金。
好きに使っていいって言われてカードも渡されている。
貯金どころか借金スレスレの生活だったから、今は百パーセント養われている。立場や収入を考えたら、甘えてもいいのかもしれないけど……。