拗らせ女の同期への秘めたる一途な想い
「あっそう。だったらもういいわ。結局、今日も役に立ってくれなかったし。じゃ、お疲れ」
南川さんはヒラヒラと手を振ってその場を後にした。
酷い言い草に眉間にシワがよる。
だけど、これで南川さんから解放されたかと思うと少しは気が楽になった。
本当に今日は疲れた。
ビールも少しは飲んだけど、あれじゃ全然飲み足りない。
これからバーでも行って飲みなおそうかと思っていたらスマホが震えた。
【飲み会、終わった?】
巧からのメッセージ。
そっか、今日は金曜日だ。
時間が合えば、金曜の夜は巧と一緒に過ごしている。
外でご飯を食べたり、巧の家で飲んだり。
そういえば、私の部屋に巧は来たことがないかも。
巧のマンションから一駅の場所に私は住んでいる。
大学の時から住んでいるマンションは1Kで、築十五年。
住めればいいという考えだったから、そこそこのセキュリティで安い物件にした。
狭い部屋の半分はパイプベッドが占領していて、ソファなんてない。
残りの空間にテレビと小さいテーブルを置いているだけだ。
巧の部屋は広いし、居心地のいい空間になってしまっている。
【今、終わってバーに行こうかと思ってたところ】
【だったら、俺んちにこいよ】
【なんで?】
【酒、用意してるから待ってる】
待ってるなんて言われたら、心が揺らぐ。
やめなければいけないと思うのに、南川さんの件でメンタルをやられた私は巧を求めてしまった。
【了解】とスタンプを押し、巧のマンションへ向かった。