拗らせ女の同期への秘めたる一途な想い
「ちょっとお手洗いに行ってきます」
「いってらっしゃい」
南川さんに告げ、私は立ち上がった。
レストルームに行き、大きなため息をついた。
なんで私が毎回アシストをしないといけないのよ。
自分のことは自分でやれって話。
初対面の人に話を切り出すこっちの身にもなってほしい。
私のメンタルがすり減っていく。
お手洗いを済ませて座敷に戻り、どこに座ろうか悩む。
とりあえず、南川さんのそばに座らないことだけは確かだ。
となれば、いつもの総務部の人たちのところだ。
空いている場所に座り、ビールを飲んでいたら南川さんがやってきた。
肩をポンと叩かれ、「次」と一言。
もー、早く開放してくれと言いたくなった。
次は小笠原課長の隣だ。
さっきの様に横一列で並び、初田さんの時と同じ言葉を言う。
「小笠原課長は休みの日はなにをされているんですか?」
「とくになにも」
「趣味とかはないんですか?」
「とくに」
話が広がらない。
本当に余計なことは言わない人なんだな。
もうお手上げなんですけど。
隣の南川さんを見れば、ジロリと睨まれる。
まるで役立たずと言わんばかりに。
「小笠原課長はなにか運動されているんですか?」
我慢ならなかったのか、南川さんがそう言って小笠原課長の腕を触った。
一瞬、小笠原課長が嫌そうに顔を歪めていた。
でも、それを振り払うことなくそのままにしていたので、この場が嫌な雰囲気にならないように気を遣ってくれていたんだろう。