カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「えー………っとぉ………あの、ですね…」

「はぁー…うるせーな。なんだよ」

「うるせーってなんなんですか!」

めんどくさそうに特大溜め息を吐きながら私をチラッと見ただけの本郷先輩に食ってかかる。

四月。
入学してからすぐに生徒会入りのチャンスが巡ってきた。

私が通う学園は、私が中二の頃から入試試験の倍率が爆裂にアップしたらしい。

理由はこの男。
本郷 カナデが入学して、一年生にも関わらず生徒会入りを果たしたから。

入学した瞬間に本郷先輩の噂はまたたく間に広まった。

同じ人間とは思えない、洗練された容姿と、それにも関わらず穏やかで分け隔てない優しい性格。

誰にでも親切で、平等。
まるでこの世の仏様。

本郷先輩は中学生の頃から有名人で、学区は違っても街で本郷先輩を知らない学生なんて居なかった。

そんな先輩が入学しただけで倍率は爆上がりしたのに、入試試験を歴代最高得点で突破した先輩は、通常二年生からしか入れない生徒会に書記として一年生から在籍することが認められた。

先輩が記した記録は手書きだろうがコンピュータ入力だろうが頻繁に盗まれて、私物が無くなることなんて日常茶飯事。

先輩は高校生になっても数々の伝説を残し続けた…らしい。
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