カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
長谷川さんが依頼内容を読み上げた。

「おとぎ話みたいね」って鈴城さんが言った。

「どうします?会長と副会長がここに残るなら私がみんなを引率しますよ」

中村さんが言った。

本郷先輩は首を横に振って、中村さんににっこり笑いかけた。

あんな笑顔見たことが無くて、逆に恐ろしくて背筋が冷えた。

美しすぎる、計算しつくされた笑顔。
あれこそ美術室にありそうなアートだ。

「今日は砂雪の一発目だし指導もしたいから俺も行くよ。みなみは?どうする?」

「もちろん行くわよ!砂雪ちゃんのお世話なら任せてね」

私の右腕にギューって抱きついてくる鈴城さん。
なんて愛らしい生き物なんだろう!

私が男なら絶対に一発で落ちるのに、もし本郷先輩と鈴城さんが恋人同士じゃないのなら、やっぱり本郷先輩は頭がおかしいんだと思う。

それとも自分以外の人間には美を感じないのかもしれない。

その可能性は大いにあると思う。
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