カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
心臓がドクンッて大きく脈を打つ。

その言葉に私は返事ができない。

「砂雪はほんとに可愛い」

「何言ってんの…可愛くないよ」

「可愛いよ。忘れちゃった?」

「え?」

「去年一緒に花火行ったじゃん」

「覚えてるよ…あれ、本当だったの?」

忘れるわけないよ。
私に恋を教えてくれた瞬間なんだから。

「本当って?」

「可愛いって言ってくれたこと…」

「本当に決まってるだろ?そんな嘘つかないよ」

「ん…」

「あーっ………ごめん、砂雪」

「え!?なに!?」

急に自分の髪をクシャッてして、首を横に振った悠太に驚きながら、顔をのぞきこんだ。

項垂れるようにしてちょっと上目遣いで私を見た悠太は、見たことの無い、男の人の目をしていた。

「ごめん、やっぱ我慢できないかも」

「我慢って?」

「分かんない?砂雪に触れたいって言ってんの」
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