カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
悠太がポケットからスマホを出して、何かを操作してからテーブルに置いた。

スマホの背面に見たことのないロゴシールが貼ってある。

「そのシール何?」

「あー、バンドのシール。メジャーじゃないんだけどよくライブやっててさ、好きなんだ」

「そうなんだ。私も行ってみたいな」

「じゃあ今度行ってみる?」

「うん!行きたい!」

悠太が私の目をしっかり見て、ニコッて笑いながら、ちょっと首を傾げた。

それから私のほうに体を寄せて、腕を伸ばした。

近づいてくる悠太の指から逃げられないまま、その指は私の下まぶたに触れた。

目を閉じた私の頬を、悠太がそっと撫でた。

「どうした?」

「え?何が?」

「クマ。昨日ちゃんと眠れた?」

…やっぱりクマ、ちゃんと隠せてなかったんだ。
大事な日なのに。

でも悠太が気づいてくれたことが、私をちゃんと見てくれてるんだってことに嬉しくなっちゃうよ。

「今日が楽しみすぎてあんまり眠れなかったの」

「そんなに?」

「うん…」

「砂雪」

「ん?」

「可愛い」
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