カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
慣れた手つきでリボンまできっちり戻した本郷先輩はまた優しく私を起き上がらせて、ドアまで近づいた。

「砂雪が先に見ろよ。誰か居たら追い払って」

「なんで私が」

先輩が言ったことが頭の中をぐるぐる回って思考が追いつかない。
どうやら本郷 カナデの目的は私に対する嫌がらせとか復讐なんかじゃなくて、これは彼の愛情表現…?らしい。

なんでそこまでするのか全く検討がつかない。
モネ…生徒会に入ったの間違ってかもしれないよ。

でもここまでしてくる本郷 カナデなら、私が生徒会に入らずとも徹底して探し出してくる気がする。
この学園に入学したのがたまたまだとしても、そのうち学校まで突き止めてきそうだった。

「嘘だよ」

先輩もこっちに来てドアに手をかけた。

「見られたらどうするんですか」

「そしたら一緒に殺されよっか?」

「バカじゃないの…」

「そーかもな」

ククッとおかしそうに笑った先輩から目を逸らした。
他の人には見せない態度。
何が目的で私に意地悪してくるのか知らないけれど、このままじゃ身がもたないよ。

悠太にだけは絶対に知られたくない。
その前にこんな行動は辞めさせなきゃ。

手っ取り早く生徒会から抜けちゃう?

そんなことしたら、それこそこの男が何をしてくるか分かったもんじゃない。

どうなっちゃうの、私の貞操………!!!
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