カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
なのに先輩はそんなこと気にも留めないで、私のシャツのボタンを一つ外して、それから二つ、三つと外した。

「土曜、一緒に居たのが好きな人?」

「え…?」

なんで先輩が知ってるの?
プライベートまで監視されてるの?

「勘違いすんなよ。たまたま見たんだよ。本屋に居たらさー、お前が来て」

まさか。待ち合わせていたあの本屋に先輩が居たんだ。全然気づかなかった。

「させたのか?」

「させたって?」

先輩が耳元まで顔を近づけた。
スッと触れたくちびるに肩がビクッと跳ねた。

「こういうこと」

シャツの裾から先輩の手が入ってきた。
あの日とは違う冷たい手。

媚薬を飲んでいない先輩はきっと平常心で、正常な思考でしてるんだ。
ねぇ、先輩の目的はなんですか…。

「それゃだ…」

先輩の動きが止まった。
顔をあげて私を見た先輩はゾクッとするほど綺麗に、艶っぽく微笑した。

「あーあ、だめじゃん。そんなとろけた目したらさ」

「そんな目してない!」

「強がってんの?かーわい」

「何ふざけてるんですか!」

「ふざけてないけど?まぁいいや。砂雪が処女だってことはよく分かったから」

「さいってー!」

どんなに罵倒しても本郷先輩は動じない。
ゆっくりと私のシャツのボタンを戻していく。

「誰にも触らせるなよ。お前が知っていいのは俺のことだけだ」

「意味分かんない!」

「ね、早く俺に依存しなよ。依存して依存して、おかしくなっちゃえばいいのに。最後にはお前の恋は俺が全部壊してやるよ。俺からは絶対に逃げられない蜜の味だけめちゃくちゃに教えてやるからさ。俺の腕の中で狂っちゃえばいいのに」
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