カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜

依頼からのヒント

本郷先輩と校舎を出るのはめちゃくちゃ大変だった。
分かってはいたけれど、これが毎日だと思うと、いよいよ先輩の体とメンタルが心配になってくる。

ていうか心配してるのに、当の本人はさっきからふざけたことばっかり言ってくる。

「二人になれてラッキーって思ってる?」

「なに言ってるんですか。思ってるわけないじゃないですか」

「でもまだココに残ってんだろ?」

本郷先輩の手がシャツとボタンの隙間から入ってこようとした。

「きゃあ!なにするんですか!」

「もう忘れちゃった?俺の熱」

「なんっで外でそんなことできるんですか!誰が見てるか分かんないのに」

「砂雪が困ってる顔を見たいから」

「あの、思ってたんですけど」

「なに?」

「生徒会初日に黙れブスって言ったこと、覚えてますか?」

「あー言ったかもな」

「なんでそんなこと言ったのに急に私にっ…」

「私に?何?」

「その…甘いことしてくるんですか」

「甘いことって?」

「だから…!」

ニヤッと笑った本郷先輩が歩きながら私に体を寄せる。

「こういうこと?」

さっきからすれ違う人達が何人も先輩に釘付けになって凝視してるのに、そんなことお構い無しにキスしてこようとした。
間一髪、体を反らしてなんとか避けたけど、油断も隙もあったもんじゃない!

「だからやめてくださいって!」

「なんだ、砂雪。やっぱ覚えてんじゃん。ちゃーんと意識しててえらいね?」

「ほんと…バッカじゃないの!」

早歩きで本郷先輩から距離を取った。
こんなこと続けられたらおかしくなっちゃいそう。

私がおかしくなるのが先か、先輩の信者達に殺されるのが先か!?
こんな学園生活、ムリなんですけど!
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