ツンツン、時々デレな君
「………俺の、話を聴いてくれる??」
凛がある程度落ち着くのを待って、話しかける。
「………う、ん。」
「さんきゅ。」
本当に、愛おしいひと。
伝えるよ、真実を。
「3日前、俺が一緒に出かけてたのは———母さんなんだ。」
「…………え、」
「本当はサプライズにしようと思ってたけどな。その、プレゼント選びを手伝ってもらっただけだよ。誤解させて、ごめん。俺が凛に信じてもらえるようなヤツじゃなかったから。」
「そ、そんなことないっ!!!」
話を、真実を理解し始めたのか、俺の言葉を遮る凛。
「幸人は、本当にカッコよくて、頼りになって、なんでもできて………。幸人を、信じられなくて、ごめんなさいっっ……!」
「………ッ!」
ずるい。不意打ちだ。
凛が俺のことをそう言ってくれるなんて、信じられない………。
夢か??夢なら覚めるな。いや、現実だ。
今死んでもいい。いや、凛の彼氏を他の誰かに譲るわけにはいかない。死なない。
そんな、オーバーヒートでおかしくなった俺の脳は、凛が自分を責めて再び泣き始めたことに気づくのが遅れた。