推しと同居はじめました。

衝撃の事実


隠してること…?

「俺さ。覚えてないと思うけど
 お前に前救われたことあんだよ。」

「え…?」

「覚えてるわけないよな。
 小学4年生の頃に俺、
 家のマンションの屋上から
 飛び降りようとしたんだ。
 その頃の俺興味湧いていたんだ
 死ぬってことに」

私はその時ふいに昔の記憶が蘇ってきた

過去から逃げてた私には考え難いことだった

過去を思い出すなんて…

「それで飛び降りようとしたときに
 同い年ぐらいの女の子が
 後から急に抱きついてきたんだよ
 まじで驚いた。
 その時にそいつが言ったんだよ」

「死ぬなら私も死ぬ。
 私を生かすためにあなたも生きて。」

私はセリフを奪うように言った

「え…?」

「なんで忘れてんだろう、
 あれ優斗だったんだね…」

私は小学4年生の頃に屋上で助けた男の子がいた

今にも死にそうに足元を眺めていたから

今でもあの光景を忘れない

怖かった

もしあの時飛び降りられてたら

一生忘れなかったと思う

「お前やっぱり覚えて…たんだな」

「いや…あそこで飛び降りられてたら…
 一生のトラウマだったし!」

私は涙を流した。

「なんでお前泣いてるんだよ…」

「優斗こそ…」

「俺は泣いてないっ」

優斗が目を拭いた。

「えりな」

「ん?」

「あの時からずっと片思いしてた。
 同じマンションってことしか
 わからなかったから。
 見つけられなかった。
 それでいつかえりなに
 自分の存在を知ってほしくて
 SNSを始めたんだ」

「そうなの…?」

優斗がうんと頷いた

「それであの寮に初めて行った時
 えりなが出てきて驚いたし、
 人生で一番嬉しかった。
 本当は今にも抱きしめたかった
 お前目の前で倒れるんだもん」

「もうっ」

私も嬉しすぎてたまらなかった。

なんては言えなかった。

今まで隠していた思い…それを胸に…

私は優斗のネクタイを引っ張って

キスをした。

「なんだよ…お前…」

私はふっと笑った。

「えりな。海入る?」

「制服濡れるわ」

「いや!」

優斗は私の腕を引っ張った

「え、ちょっ…」

私達は海に飛び込んだ

「ちょっと優斗!」

私は制服をはらった

「えりな、こっち向いて」

「ん?
 っ……」

目を開けると優斗のまつ毛が今にも触れそうな

ほど優斗の顔が近くにあった

キ…ス?

「もうっ!!」

私は海からでた

優斗……


ありがとう…




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