俺様御曹司は逃がさない
「だから、お手洗いに」

「え~?」

「トイレ!!」

「付いてってやろうかぁ?」

「冗談はその性格だけにしてください。キモすぎて笑えません。では」


ごちゃごちゃネチネチ言われる前に、風の如く走り去った。


「我ながら速いわ……って、はあぁん!?」

「お手洗いとやらはどうしたんだよ」

「なっ、なんであんたが……」


何故かあたしの目の前に九条が居る。

病院の入り口前に、何故か九条が居る……ニヒルな笑みを浮かべて。


「俺を撒こうなんざ100億年早ぇんだよ」

「あんた音速異動できるわけ?」

「悪いけど俺、何でもできちゃう質なんで~」


うざいったらありゃしない。

こいつ、本当にオールマイティーすぎる。

何をどう育てれば、こんな産物が出来上がるわけ?性格も含め、何をどうすればこんな奴が完成するのだろうか。

性格以外はマジでパーフェクトなんだけどな。

容姿や地位ではカバーできないほどのクズなのに、それでもこの容姿と地位……その他諸々に群れたがる女は数知れず。


・・・・あたしには理解できないな。うん。


「ううっ、腹痛がっ……すみません。医者に診てもらいますので、そこを退いてください」

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