俺様御曹司は逃がさない
「自分で持ってく」

「客人にやらせちゃって悪いね」

「もう客人とかのレベルじゃなくね?俺」

「確かに~。もはや七瀬家の長男だよね」

「……ははっ。だな」


そして、当然ながら客室なんてないし、余ってる部屋もないから、必然的にあたしの部屋に布団を敷く。ま、これが当たり前になってるから今更何を思うこともなければ、至って普通のことすぎて……って感じ。


「相変わらず七瀬家って寝るの早いよな~」

「寝る子は育つ」

「律の成長が凄まじくて怖い」

「拓人あっという間に抜かされそうだよね」

「それを言うな」


あたしはベッドに寝っ転がって、拓人は床に敷いた布団に寝っ転がって、いつも通り他愛もない会話をする。


「なぁ、舞」

「んー?」

「あいつとどうなの?」

「あいつ?」

「九条 柊弥」

「あ~、いや、別にどうもこうもないけど」

「付き合ったりとかしないの?」

「はあ?ナイナイ」


拓人がこの手の話題を振ってくるのは珍しい。

拓人って恋バナ的なものは全くしないタイプ。


「あいつがもし、舞のこと好きになったら?」


九条があたしを好きになる……?

いや、マジでないでしょ。

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