俺様御曹司は逃がさない
俺が電気を消して少しすると、規則正しい寝息が聞こえてきた。
「即寝かよ……」
俺が居ても安心って思ってくれるのは素直に嬉しい。でも、その反面……男として全く意識されてないんだなと実感する。
それもそうか。
男として意識されるような振る舞いもしてなければ、今の関係が崩れるのが怖くて何もアクションを起こせていない。
舞は自分のことを“ただの平凡女”としか思っていない。
端から見たら、何が平凡なのかが分からレベルで可愛いし、本当に綺麗な容姿をしている。
飾り気がなくて、素朴で、本当に優しい。
女子らしさが欠落している部分があるのは、ぶっちゃけ否めないけど、俺はそういう舞が好き。
学校内ではきっぱり意見が分かれていた。
1、家庭の事情(貧乏)で舞を除外するタイプ
2、容姿が良ければ何でもOKタイプ
3、舞を高嶺の花だと崇めるタイプ
厄介なのはもちろん言うまでもなく“2”タイプ。
俺はことごとく“2”タイプを蹴散らしてきた。
ふとした瞬間に、“何やってんだろ、俺”と思った時は何十回も何百回もあった。
俺は所詮、舞に気持ちを伝えることができないチキン野郎ってこと。