俺様御曹司は逃がさない
背を向けてぎこちなく歩くあたし。


「おい、七瀬」


はっきり名前を呼ばれてしまった……。


「なんで分かんのよ……あんた」

「俺が見間違うはずがないっしょ。ナメてんのー?」

「いやぁ、僕には分からなかったけどね~」

「あら、貧乏人の七瀬 舞じゃない。なに、あなたストーカー?」


ストーカーはそいつ(九条)ですけどね。


「ていうか、なんで分かったわけ?声も見た目も全然違うと思うんですけど」

「見りゃわかんだろ」

「何を」

「体とホクロの位置」


真顔で誤解を招きそうな発言するクズ。


「やめてくれない?その言い方」

「毎日見てんだから見間違うはずがねぇだろ?」

「だからぁ……誤解を招くような言い回しをするな!!」

「舞ちゃん落ち着いて?周りの人達がびっくりしちゃってるから」

「これだから品のない女って嫌よね~」


───── いや、びっくりしてるのはあなた達が登場したからでは?そして、品がないのは認めざるを得ない。


そっから海水浴場は大パニック。

黄色い歓声を浴びながら、胡散臭い笑みを浮かべて適当に群れをあしらう九条。

蓮様は気に入った女の子と連絡先を交換する始末。

凛様はもちろん女王様化して、複数の男達をこき使っている。


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