俺様御曹司は逃がさない
「美玖、あの人の前でも浅倉君の話たくさんしてたよ」

「え?」

「あの人に見向きもしてなかったよ、美玖」

「本当に?」

「うん。もう浅倉君にゾッコンだよ」

「そうかな?」

「そりゃそうよ。あんな見てくれだけは国宝級の男を目の前にしても、浅倉君一筋でブレなかったんだから!!」


すると、ベジッと割って入ってきたのは美玖だった。


「真広君!!舞ちゃんにデレデレしすぎ!!浮気!?」

「うえっ!?いやっ、そ、そんなんじゃないよ!?」

「舞ちゃんが可愛いのは分かるけど!!ダメ!!」

「だっ、だからっ!!違うって!!」

「ふんっ!!」


あたしのせいで喧嘩が勃発しそうな雰囲気。これは何としてでも阻止しなければ!!


「ちょ、美玖?そういうことじゃなくて……って、寒っ!!」


“なんか寒くな~い?”と周りがザワつき始めた。

真夏だというのに場が凍りそうな冷気が流れてくる。その冷気の先に居たのは……不機嫌MAXな九条。

・・・・あれは……ヤバいな。

きっとあたししかアレを宥められる人は居ないだろう。いや、あたしですらアレを宥められるか分かんないわ。


「ごめん……あたしが行ってくる」

「そ、そうだね。舞ちゃんしか無理かも」

「ご、ごめん。ぼ、僕には無理かも」

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