【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
驚愕中の彼に理由を明かす。

すると、徐々に表情が緩んでいき、ふふっと笑い声が漏れたところで、私の肩に頭が乗っかった。



「あー、ダメだ」

「ええっ、何がダメなの?」

「好きすぎて止まらないってことだよ。小夏が可愛すぎるから」



その体勢のまま、抱きしめられた。

直球で素直な愛情表現に混乱する。


いつもクールでお世辞も言わず、甘い言葉とは無縁なあの紅耀くんが……⁉

世話が焼けるなぁとか、どん臭いなぁとか、プヨプヨしてるなぁとかじゃなくて⁉


もしかして、そういうの全部引っくるめての「可愛い」って意味なの……⁉


1人赤面していると、肩の重みがなくなった。

のもつかの間、紅耀くんの人差し指が、私の唇をちょんと触り……。



「キス、したいけど……取れちゃうよな」



視線は唇に一点集中。

塗ってきてたの、バレてたんだ。


確かに、1回でもすると色が落ちてしまうけど……。



「いいよ。また塗り直せばいいんだし」
< 69 / 70 >

この作品をシェア

pagetop