【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい
ずっと気になっていた疑問を尋ねてみた。


リップはリップでも、リップクリーム。

重ね塗りすれば多少濃くなるかもしれないが、口紅ほどハッキリと色は出ない。


隠れて見てたのなら、距離はあったはず。
あのオシャレな紅輝くんでさえ、私が言うまで気づかなかった。


どうしてなんだろう? ずば抜けて視力がいいとか?


前のめりで待つ私に、紅耀くんは、はぁー……と観念したような溜め息で返し……。



「……き、だからだよ」

「え?」

「……小夏が、好きだからだよっ」



ぶっきらぼうに放たれた言葉に目を丸くする。

ええっ⁉ 好きって、まさか紅耀くんも……⁉



「……ごめん、気持ち悪いよな。ジロジロ見てたなんて」

「全然……っ! 私も、好きだから!」



目を伏せた彼の両手をギュッと握った。


気持ち悪いなんて思わない。

それだけ私のことを想ってくれてたんだなって、むしろ嬉しいよ。



「マジ……?」

「マジだよっ。言っとくけど、あの時リップ塗ってたの、紅耀くんのためだからねっ」
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