極上溺愛契約婚で甘やかされて～エステで出会ったセラピストは御曹司でした～
「……」
（行ってしまった）

　浴室には私1人だけとなる。とりあえず部屋の扉の鍵を閉め、服を脱いだら洗面台の右横にある茶色い籠に服をたたんで置く。バスタブには既にお湯が入っており、乳白色の入浴剤も入っているのが見える。

（綺麗だ、良い匂いもする）

　浴室に入りシャワーを浴びる。シャワーの温度はちょうど良いくらいのぬるま湯になっていた。これくらいなら温度の設定を変えなくてもよさそうだ。
　シャワーを一通り浴び終えるとバスタブのお湯につかる。

「よいしょ……」

　ちゃぽんと肩までお湯につかる。なんだか温かなお湯が心地よくて肌を包んでくれているような気がする。更に入浴剤の淡くて爽やかな香りが鼻の奥にまで届いた。

（高級そうな気がしてきた……）

　バスタブは広くて大きい。更に真っ白で汚れ1つ無いし、バスタブの上に設置されている蛇口もピカピカと銀色に光を放っていて水垢や汚れも付着していない。まさに新品の状態に見える。
　足を目いっぱい広げてみると、親指の先端がちょっとだけバスタブの壁に触れた。自宅のバスタブはここまで足を広げられないのでこれだけでも贅沢さを感じる事が出来たのだった。

「うーーん……」

　足を伸ばした後は、両腕を天井に向けて伸ばす。ああ、こんなにリラックスして入浴できるのはいつぶりだろうか。

（気持ちいい）

　次第に顔からは汗が噴き出てくる。せっかくなので半身浴でもしてみよう。

（デトックスになるかな？）

　こうして入浴を楽しんだ次は髪を洗う事にした。シャワーでしっかりと髪を濡らした後は一度浴室を出てシャンプーにトリートメントにボディーソープにクレンジングを浴室に持ち込む。
　シャンプーは透明。泡立ちはとてもよく、こちらも爽やかな香りがする。しっかりと髪を洗ってトリートメントを付けると髪がいつも以上に指どおりが良くなった気がしたのだった。
　クレンジングもいつも使っているものよりも化粧落ちが強く、ボディーソープも肌触りと言うべきか、ちゃんと肌に合っているような感覚を覚える。
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