極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 美幸は舌なめずりをしつつにやりと笑いながら、私に近づき左手を取った。

「あなた、結婚指輪はしていないのね。もしかして最近よくある契約結婚ってやつ?」
(バレてる! でも……ここでバラす訳には)
「私、金属はダメなんです。かゆくなるので」
「あーー……そう言う事ねぇ。でもあなたは金持ちじゃなくて一般庶民でしょ? 玲さんと釣り合うとでも?」
(うわっ正論!)

 実際正論ではある。だが、玲は私を選んでくれたのだ。
 ああ、こう言う時はなんて言い返したら良いのか。頭を動かせ、私!

「やっぱり黙ったわね。あなた如き一般庶民と玲さんが釣り合う訳無いじゃない。私の方がお似合いよ」
「……えっと。私がここで働いているのは美幸さん、ご存知ですよね?」
「? そうよ、それが?」
「……ここは玲さんの父親が経営している会社です。後は分かりますよね?」
「……はぁ?」

 玲の父親が経営している会社で働いている自分は玲からすれば、いわば身内のようなものとも言えるのではないだろうか。そこに強みがあると考えた私は、その事を美幸に伝えた。だが、彼女は理解出来ていないようだ。
 
「雪乃さん!」

 このタイミングで玲が車から降り、こちらへと駆け寄って来た。
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