極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「雪乃さん、今日はちょっと派手にしてみます?」

 お手伝いさんからメイクをされる前、彼女からそう問われる。近くには玲もいたので派手なメイクはどうかと尋ねると良いと思う。と返してくれた。

「でも、あまり目立たない方がいいかもしれませんね」
「?」
「ほら、あの噂話……」

 美幸が流した噂話は、私が玲ら門倉家の財産を狙っている性悪女だと言うもの。なら派手なメイクよりも敢えて地味なメイクの方が私をよく知らない人からすれば性悪にはまず見えないかもしれない。

(いや、私性悪じゃないんだけどな)
「確かに玲さんの言う通りですね。ここは敢えて地味なメイクと髪形にしましょう」

 私の言葉にお手伝いさんは驚きながら、よろしいのですか? と問うた。

「はい。地味にお願いします」
「わかりました。ではそのように」

 こうして仕上がったのは、地味な見た目の私だった。下地を塗って眉の形をアイブロウでちょちょっと整えただけ。チークとリップに、アイシャドーは塗っていない。髪形も後ろで1つに束ねただけだ。

「良いんじゃないですか?」
「玲さんほんとですか?」
「ええ。これなら噂を信じる人も減るんではないですか?」
「雪乃さん、玲さん。あと、マスクも付けてみます?」
「雪乃さん、マスク付けますか?」
「あっはい」
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