極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 すると部屋の扉がどんどんと叩く音が聞こえる。誰だろうか。

「すみません、失礼」

 玲が私から離れ、バスローブを着用してから部屋の扉をほんの少しだけ開いた。

「すみません玲様」
「廊下で話しても良いですか?」

 部屋の扉を叩いたのはお手伝いさんだった。玲は彼女を廊下に連れ出した。私はベッドから2人の会話を聞き漏らさないよう聞き耳を立てる。

「会社にご連絡した所、倉田さんが休むのは納得いかないと事務の女性の方が……」
「なんて報告したんです?」
「玲様の仰る通り仮病でお伝えしましたが、熱があっても来るようにと……」
「そうですか。なら私が直接ご連絡します」

 その声に後は静寂がしばらく流れた後、玲が部屋に戻って来た。音が出ないよう部屋の扉をそっと閉め、鍵をかけている。

「お待たせしてしまいすみません」
「あっいえ……お怒りでしたか?」

 ついその言葉が私の口から漏れた。どうせ熱があっても来いと言ったのはお局だろう。私に残業を押し付けられないから怒っているに違いない。

「聞いていたんですね」
「す、すみません」
「いえ。もしかして残業続きなのは……」

 玲が私の残業続きの理由に勘付いたような、目を丸くさせた表情を私に見せたので、私は意を決してお局や先輩方に残業を押し付けられている事を打ち明けたのだった。

「そうでしたか……もっと早く知れば良かったです」
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