極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 もしかしてあれから私は気を失っていたのだろうか。彼にそう聞いてみる。

「あのまま眠ってしまわれたので起こさずにそのままにしておきました。よく眠れましたか?」
「ああ、ありがとうございます……」

 確かに私の身体の上にはふかふかの白い掛け布団がかかっている。玲もスーツ姿に着替えていた。
 ……あれから大分時間が経っているのか?

「今何時です?」
「11時過ぎです」

 もう昼前まで時間が経っていたのか。確かに今私のお腹が少し空いている気がする。
 すると、良いですか? と玲が口を開く。

「お昼は何にしますか?」
「あーー……」

 何を食べようか迷う。もっと言うと何を食べたいかが湧いて出てこない。ガッツリ系もいいしあっさり系も良い。どうしようか。

「すみません。おなかは減ってるんですけど何を食べたいか湧いて出てこなくて」
「それなら私が作りましょうか?」
「えっ」

 玲は料理も出来るのか。はたしてどれくらいの腕前なのか気になる。だが、何か作るにしても彼任せにしてしまっても良いのだろうか。

「私も手伝いますよ……!」
「いえ大丈夫です。今日くらいは私に全て任せちゃってください」
「わ、わかりました……じゃあ、お願いします」
「作る料理も私のお任せでよろしいですか?」
「あっはい。お願いします」
「わかりました。先にアレルギーが無いかだけ教えてください」

 食物アレルギーは無いのでその事を伝えると、玲はニコニコとうなづいたのだった。

「それと着替え、用意しますね」
「それもいいんですか?」
「はい、ご用意しますのでお待ちください」

 玲はそう言い残すと部屋から早足で去っていった。
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