極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 これはもしかして怒られるパターンか、それとも機嫌を損ねてしまっただろうか。私はとっさにすみません……! と彼へ謝罪の言葉を放った。

「いえ、怒ってないですし雪乃さんは悪くないですよ。ご心配なく」
「ああ、良かったです……機嫌を損ねてしまったかなと」
「いえそこは大丈夫ですよ。気になさらないでください。やはり残業続き、会社の状態が原因なのだろうと思いましてね」
「……」

 玲はここでご飯を食べながらうーーんと何か考え込むようにして黙り込んだ。私はそんな彼を見つめつつ、ちょびちょびとご飯を口に入れていく。
 数分ほどしてああ、そうだ。と彼は口を開いたのだった。

「雪乃さん以外にも、残業で苦しまれている方っていますよね」
「ああ、はい。私以外にも同僚や後輩は残業が続いています」
「そこでですが、残業を減らせられないか父親に訴えてみます。それと雪乃さん。さっきは急だったので聞けてなくて申し訳ないんですが、仕事を続けたいという意志はございますか?」
「ああ……」

 すぐにぱっと辞めちゃってもいいのだが、やりがい自体は感じているしこのまま続けるのもありかもしれない。それに転職はこのご時世中々厳しい部分もあるだろう。私はこの考えをそのまま玲に伝えてみた所、玲は承諾してくれたのだった。

「あなたを今の状態から解放したい。なので働くなら快適な環境にする事をお約束します。勿論雪乃さんだけでなく、他の職員も同様です」
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