極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 玲曰く彼は普段から自炊をしているとの事で、料理には慣れていると語った。
 なるほど、御曹司も自炊はするのか。

「お手伝いさんに手伝ってもらったり、お弁当をお願いする事もあります。毎日ずっと料理できるわけではないので」

 それだけ彼は忙しいのだろう。そこは仕方ない。でもちゃんと自炊しているという部分だけでも彼は立派に思う。私は残業続きなのが響いて部屋はほとんど掃除できていないし、ご飯も値引きシールが貼られたスーパーやコンビニの弁当などで済ます事が多いからだ。

(明らかに不健康だよなあ……)

 そう考えていると、玲から普段の私の自炊状況について尋ねられる。私は少し黙って正直に答えるか否かを考えた結果、ここは恥ずかしさを我慢して正直に打ち明ける事を決めたのだった。

「実はあんまりしてないんですよ。ご飯作るのもここ最近は……」
「作ってないんですか?」
「はい。コンビニやスーパーの弁当とかで済ますのが多いと言うか……不健康なのはわかってるんですけど、残業続きで作る体力も気力も起きないんですよねえ……」
(言い訳は良くないけど、事実だしなあ……)

 そう苦笑いを浮かべながら玲に告げると、玲の穏やかだった顔が神妙な面持ちへと変わっていくのが見えた。
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