極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 しかしながら1つだけ確かなのは、仲良くしたいという事だ。喧嘩なんてまっぴらごめんだし、ギスギスしているのも嫌だしビジネスパートナーとして割り切れる度量も生憎私には無い。

「仲良く出来たらそれで良いです。私にはビジネスパートナーとして割り切れる度量は無いので。あと喧嘩とかそう言うのは苦手です」

 そう言えばうちの両親も物心ついた時からしょっちゅう喧嘩ばかりしていた。喧嘩し始めた時は兄と共に部屋に移動するのがお決まりのパターンだった。
 離婚を勧めた事も何度かあったが、お金の事を考えるとそれは嫌だと断られたのだった。今私と兄が独立しても尚両親は喧嘩しつつ1つ屋根の下で暮らしている。

「そうですか。それは勿論です。私も喧嘩は大嫌いです。平和が1番ですよ」
「そうですよね……!」

 玲に私の気持ちが伝わったようで何よりである。私は改めてその場から立ち上がり彼に深々と頭を下げて、お願いします。と挨拶をしたのだった。

「こちらこそよろしくお願いします。雪乃さん」

 玲が私の両手を取り、硬く握手を交わす。それはまるで政治家が同盟を取り決めた際に魅せるような硬くがっちりとしたものだった。

「玲さん。改めて今日からよろしくお願いします……!」
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