極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「雪乃さん」
「今は契約関係でウィンウィンの関係ですけど……私が良いと言ってくれるなら全力でついていきます」

 はっきりと口に出してみたが、ちょっとこっぱずかしくなった。いつもはこんな風に自分の意見をずばっと言う機会は中々無いだけにこの胸の内に湧いて出ている感情に慣れないでいる。

「ありがとうございます。うれしいです」

 玲が私の唇にそっと自身の唇を重ねた。温かい温度が私の唇の上に覆いかぶさるようにして伝わってくる。そのまま数秒ほど経過して唇を離した彼は、何か胸の中につっかえていたものが取れたかのようなそんな安心した笑顔を見せてくれた。

「安心しました。では明後日よろしくお願いします」
「はい。こちらこそ」

 改めて明後日のパーティーへ向けて私は覚悟を決めたのだった。だがその前に明日の仕事が待っている。玲曰く明日は必ず定時で皆帰れるようにすると約束してくれた。彼は私の目の前で父親に電話をかけ、総務部事務の惨状を伝えると父親も把握していなかったそうだった。確かにそれも無理は無いだろう。目立たない部署なのだから。
 だがこの玲の電話によってうちの部署は月末の打ち込みを迎えるまでしばらくは残業無し、定時帰宅が約束されたのである。
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