極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「玲さん、お久しぶり♡」

 女性がにこりと絵文字のような笑みを玲に見せた。しかし目は笑っていない。

「ああ、美幸さん……お久しぶりです」
「今日いらしたんですねぇ、玲さんなら来てくれると思ってました」

 耳につく甲高い声は作ったもので地声ではないのがよくわかる。しかも美幸という名の女性は私には一切視線を合わそうとはしない。
 
「はは、妻にもこの場を楽しんでもらいたいと想いましてね」

 
美幸が私に視線を向けようとしないのを玲は気づいていたのか私の存在を紹介する。

「はじめまして。美幸さん。門倉雪乃と申します。いつも夫がお世話になっております」
「……け、結婚されたんですか?」
「はい。急ですが雪乃を妻に迎えました」

 玲は私の右肩を抱き寄せる。美幸の目に宿る敵意がより一層激しさを増した気がした。

「随分仲がよろしいんですね」
「ええ、雪乃はよく出来た妻です。もう雪乃以上の女性なんて考えられないくらいです」
「玲さん……」

 わざとなくらい仲の良さをアピールする玲に乗せられ、私も演技に力がより入った。
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