極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「そ、そうですか……お幸せに」

 美幸は面白くなかったのかそう言い残し、別の場所へと移動していった。ハイヒールの音は先程とは打って変わって荒々しさが混じっていた。

「……これで一安心ですかね」
「……今の方は」
「内田美幸。妹の婚約者を寝取った女です」
(……あの人が)

 玲の妹である十和から婚約者を奪ったのがこの女。写真で見た十和の姿とは真逆の見た目だ。そして自信に満ち溢れた雰囲気……

(悪女ってやつか)
「気を付けておきましょう。また来るかもしれない」
「玲さん、そうですね……」

 参列者が揃い、ようやくパーティーが始まった。元気と夏子が共に左隅の扉から参列者の前に歩み出る。
 元気はパッと陽気な笑顔を浮かべているが、夏子は途中まで笑顔を浮かべていたものの、目の前に何か見つけたのか顔から笑顔が消え、緊張感溢れる表情に変わった。

「今日は皆様、お集まり頂きありがとうございます!」

 元気からの挨拶にパチパチと拍手が起こった。私と玲も同じように拍手を送る。

(そういや、あれから美幸はどこに?)

 周りに悟られないように視線をキョロキョロと動かしてみると私からして右前の最前列に美幸はいた。
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