バレンタインと恋の魔法
「いいな…」



好きな人が同じ学校にいるなんて、うらやましい。


土日以外毎日会えて、話せるんだから。


私だって流くんが好きすぎて流くんの母校であるこの高校にしたけど、私が入学しても流くんはとっくに卒業している。



私だって好きな人と同じ学校がよかった…。





「ただいまー…」



家に帰ると、見慣れない靴が置いてあった。


…これってもしかして。



「お母さんお母さん!もしかして流くん来て…」



慌ててリビングに走っていくと、勢いが強すぎたのかつるっと滑ってしまい盛大にこけた。



「あはは、咲良(さくら)。何してるの」



けらけらと無邪気に笑う流くんがひょいっと軽々と立たせてくれた。



「流くん!」



久しぶりの流くんに、ぎゅーと抱きつく。
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