【完】先生が意地悪で甘すぎる!〜激甘注意報発令中〜
「乃木杏奈さん」
そして、ポケットの中に手を入れる。
出てきたのは手のひらサイズの小さな箱。
それが何かとすぐに分かった私は目を大きく見開いた。
上質なベロア生地の箱。
長くて綺麗な指で、ぱかりとその箱を上に開いた。
「俺と結婚してくれませんか」
「ど、して・・・だって、」
───私たち、終わったんじゃないんですか?
そう告げた声は震えていた。
きらきらと輝きを放つ指輪。
紛れもなく、目の前に鎮座しているのは婚約指輪だった。
「あの日、俺は終わらせたつもりなんて1ミリもなかった」
先生は私を見据える。
「でも担任の先生として、杏奈にはもっと未来への選択肢を増やして欲しかった」
その真剣な目は私を捉えて離さない。