政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない
卑屈になるつもりはないけれど、生きてきた世界が明花とは全然違う。たぶん高柳も美也子もエリート街道をひた走っているのだろう。腕時計やアクセサリーなど、身に着けているものからも想像がつく。
ふたりによると当時から貴俊と三橋はウマが合わず、なにかにつけて対立していたらしい。
といっても、彼らから見ても三橋から一方通行だそうだ。
それでもこうしてお祝いに駆けつけるのだから、心の底から憎み合っているわけでもないのだろう。
「ねぇ、あっちで飲まない? なかなか素敵なの」
美也子が大きな窓の向こうを指差す。
彼女によればインナーバルコニーがあると言う。それも広大な。
美也子を追っていくと、驚くべき光景が広がっていた。青々としたラグーンが現れたのだ。
白い砂とのコントラストはまるでリゾート。動力を使って小さな波まで打ち寄せる。下からライトを受けて、水面がきらきら光っていた。
「わぁ、本物の海みたい」
「ほんとだな」
思わず漏れた感嘆の声に貴俊も賛同する。