政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない
「ね? いいでしょ? あそこにテーブル席があるから」
美也子に誘われ、勧められたワインを手にして腰を下ろした。
高層ビル群に紛れた空中。そんな場所にビーチがある不思議な光景に心が躍る。
「それにしてもタカが結婚するとはねー」
「だよな。大学時代なんて言い寄ってくる女の子たちに目もくれなかったもんなぁ」
美也子と高柳が頷き合う。
「あのときはグループ企業を背負うプレッシャーを勉強で発散してたから」
「そこが俺には未だに理解不能だね。発散するなら勉強より女だろう?」
「だからナギは、今ひとつ突き抜けないんじゃない?」
「はあ、ミヤは相変わらず言うことがきっついねぇ」
そう言って項垂れるが、高柳も会社を経営しているという。明花からしたら成功者にほかならない。
(このドレスを買ったお店の萌香さんもそうだし、やっぱり貴俊さんの周りにはすごい人ばかりね)
どの人もみんなキラキラして眩しい。