政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない
(きっとこのドレス、とっても高価なものよね)
店や洋服の感じから見ても、値が張るのはたしか。着ている状態で値札を確認できないのがもどかしい。
「もしかして値段の心配をしてる?」
「……お恥ずかしいのですが、はい」
華やかなドレスに不釣り合いなほどに顔が曇る。
「それなら桜羽くんが支払うことになってるから」
「いえっ、そういうわけにはいきません」
両手を胸の前で振り、急いで制す。
めったに使わないが、クレジットカードのリボ払いでなんとかしよう。
「明花さんに払わせたら、私が桜羽くんに怒られちゃうから」
押し問答に発展する前に、萌香から決定的な言葉を告げられた。
親身になってドレスを選んでくれた萌香に迷惑をかけるわけにはいかない。
「それでは、こちらでお願いします」