政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない
「すみません、お忙しいのにお迎えまで――」
そう言いながらドアを開けた明花は言葉を続けられない。
その場に現れた貴俊の麗しい姿に見惚れてしまったのだ。
ネイビーのスーツはかすかに光沢があり、それに合わせたライトグレーのベストとのコントラストが美しい。ドット柄のネクタイもダークレッドがベストマッチだ。
ほどよくフィットしているため、引きしまった体のラインがよくわかり、胸が勝手にドキドキと高鳴る。
貴俊は普段から洗練された着こなしをしているが、今日はさらに磨きがかかっていた。
「いつも以上にとても素敵です……」
声に感嘆が混じるのが自分でもわかる。
「それは光栄だな。明花もよく似合ってる。綺麗だ」
お世辞だとわかっていても、ストレートな褒め言葉に照れずにはいられない。
「ありがとうございます」