あなたに出会って世界が変わる
夏鈴は目を覚ました。
自分の部屋ではなく、リビングの椅子に横たわっていた。
先ほどの事を思い出し、カタカタと震えだした。
何度も何度も落ち着こうとしたが、震えが止まらない。

(こわいーーーー。こわいよ。誰か助けてー。)
何度も心の中で呟くがもちろん誰も助けには来ない。

今日は夜勤がある。それまでに何とかしなくちゃ。
シャワーを浴びても、震えは止まらない。

(やばい、そろそろ行かなきゃ。)
家を出た。

男性とすれ違うだけで、声が聞こえるだけで震える。
いつもなら歩いて10分の道だが、震えを抑え、呼吸を整えるために立ち止まる。恐怖でいっぱいになる。
ローサンに着くのがいつもより遅くなってしまった。
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