無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない
案の定、湊は女に対してスパイかなんなのかと疑っていた。

「間違えて、はいちゃって…」

それに対して女は少し焦ったように言っていた。

その様子が湊には図星されていたようにしかみえなかったのだろうか、
どんどん目を光らせていく。

これはフォローしないとめんどいことになりそうだ。


「そうだ。こいつ俺が寝ている間に入りやがった。敵意あったらもう排除してる。」


「麗央サンが言うなら、ね」


…ほんとですか?といいたげな湊の表情。

確かに怪しいのには変わりない。

だが、

「あ、助けていくださってありがとうございました。」

「あぁ」

俺という存在を知らないにせよ、少し無防備な女に興味がわいてきた。

< 85 / 120 >

この作品をシェア

pagetop