あの一夜で身ごもりましたが、結婚はいたしません ~天才心臓外科医の猛攻愛~
光――瀬七side

 雲ひとつない、凛とした晴れの日。

 「Sena, will you take hikari to be your wedded wife to live together in the bons of marriage? Will you love her, comfort, hornor and keep her so long as you both shall live?」

 「I will.」

 チャペルに漂う厳粛な空気の中、俺の誓いの言葉が遠くまで響く。

 ステンドグラスから差す柔らかな光が、純白のウェディングドレスを着たひかりをより輝かせていた。

 「Hikari, will you take sena to be your wedded husband to live together in the bonds of marriage? Will you love him, comfort, hornor and keep him so long as you both shall live?」

 「I will.」

 ひかりの照れと喜びが入り混じった言葉を合図に、俺は指を彼女のベールにかける。

 「瀬七さん」

 「ひかり」

 目の前にいる彼女の目、肌、唇、すべてが輝いて見えて、まるでマリアのようだと思った。

 俺は今、世界で一番の幸せものだ。

 心から愛する彼女と、この場所に立てて。

 鳥のさえずりを遠くで聞きながら、彼女の柔らかな唇に自分のを重ねる。

 ひかりと出会って五度目の夏。

 俺たちは思い出の地、シンガポールで永遠の愛を誓った。
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