天才外科医は激甘愛で手放さない~絶対に俺の妻にする~
カンファレンスが終わりオペ室に繋がる廊下を歩いていると、突然近くで声をかけられ、体が跳ね上がった。
振り返ると、私のすぐ後ろに東園寺さんがやってきていて、あまりの近距離に産毛が逆立つ。
「今日も反応が最高に可愛いですね。頑張っていきましょうー!」
「あはは。そうですね」
ぎこちなく笑顔を返すと、東園寺さんは浮かれた様子で再び廊下を歩いていく。
び、びっくりした……。あんなに真後ろにいるなんて思わないよ……!
「いつも元気ですね。東園寺先生は」
「ね。心臓に悪い」
遠くなっていく背中を見て、呆れたように星宮ちゃんはつぶやく。
身近でアプローチしてくる男性と言えば、彼しかいない。
いや……あの自己中心的な人を好きになれる気はしないな。
どうやったら諦めてくれるだろうと、日々頭を悩ませているほどだ。
「おはようございます」
すると再び話しかけられ、私たちは動きを止めた。
この声、まさか。
血の気が引いていくのを感じながら、恐る恐る後ろを振り返る。
「西堂先生じゃないですか。おはようございます!」