天才外科医は激甘愛で手放さない~絶対に俺の妻にする~
 術着を着た瀬七さんが、爽やかに笑っていた。

 この様子だと、東園寺さんと同じオペに入るのだろう。

 もしかしたら会うかな、とは思っていたけれど、こんなにも早く……。

 頭を抱えそうになるけれど、違和感ないようにとっさに愛想笑いを作る。

 「奥名さん。東園寺先生と仲がいいんですね」

 すると瀬七さんは、私をまっすぐ見た。

 「え……?」

 瀬七さんの口からなぜか東園寺先生の名前が出て、腑抜けた声が漏れた。

 そうか。今、私と彼が話しているのを見てそう思ったのかも。

 すると星宮ちゃんが楽しそうに「ふふ」と笑って、大げさに私の肩を叩く。

 「もうラブラブなんですよ~? 隙を見てああやっていちゃいちゃしようとするんですから」

 「え!? ちょ、ちょっとやめてよ星宮ちゃん!? 私、東園寺先生のことは――」

 「なるほど。ふたりはラブラブなのか」

 瀬七さんの低い声に、言葉を遮られる。

 なぜか瀬七さんは満面の笑みになっていて、その迫力に言葉を飲み込んだ。

 「あぁっ、いけない。ひかり先輩、急ぎましょう」

 「う、うん」
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