秘密の恋をしませんか⁈ ロミオとジュリエットの恋*ハッピーエンドになります
「なぜですか?」
「ほら、あそこ、加藤議員が風潮してるのよ。うちの息子と久世のお嬢さんとは、昔からの仲とか言って」
「チッ、釘刺してもダメか」
イヤイヤ、伝わらなかったと思うよ。
「樹梨には、もう、許婚がいる」
「へっ?」
間抜け声になるのも仕方ないと思う。
「聞いてない」
「言ってないからな。内々に決まっている。好評するにはまだ早いから、黙っていたが、事を早く進めないといけないな」
「…パパのバカ」
そう言って、会場を飛び出してしまっていた。
「おい…」
引き止める兄を振りきってきたはいいが、今度は嫌な奴に捕まった。
ゲッと顔に出したの仕方ないと思う。
「なんですか?」
「お前、いい女になったな」
舐めるような視線に、鳥肌がたった。
「どなたです?」
「俺だよ。まぁ、これだけいい男になったからな。わからないのもわかるが、さっき、親父と挨拶したろ。加藤だよ」
「えぇ、加藤議員のご子息さんなのは、先ほどで知ってますけど、覚えがないもので」
「ふざけんなよ。同期だって言ってたろ」
「あぁ…もしかして、私に田舎ものと言っていた加藤くんですか?」
思い出したくもなく記憶を呼び起こしたのは、お互いだったようだ。