秘密の恋をしませんか⁈ ロミオとジュリエットの恋*ハッピーエンドになります
その家に婿養子として入った父だが、手腕を発揮して目立ち過ぎてしまった。久世家は、日本警察の暗部から目の敵にされてしまい、まぁ、父の代でいろいろとあり、警察関係者との仲があまりよろしくない。
現在、日本の警察組織のトップにいる勅使川原総監と因縁もあり、昔から顔を合わせれば、嫌味の応酬が始まる。
挨拶も終わり、壇上から降りていけば、当主と次期当主に顔を覚えてもらおうとする各招待客が列を並す。
母と私は、少し離れた場所に避難して、姉達は、早々に離脱してしまう。
会場から去って休憩する彼女らと離脱すればいいのだろうが、ここには会いたい人がいる私としては、こんな滅多にないチャンスを不意にできるはずもなかった。
「亜梨沙さん、今日も一段と麗しいですね」
母に近づいてきたのは、日本警察組織のトップ、勅使川原総監だ。
「ありがとうございます。お世辞でも、勅使川原さんにそう言って頂けると、女冥利につきますわ」
「お世辞など、私が言わないことをご存知でしょうに」
「まぁ、おほほほ」
外用のママは、久世に恥じないようにお上品に振る舞うが、家では、普通の人だ。
もちろん、パパも高圧的に貫禄あるふうに外では装っているが、家では、ママにベタ惚れで尻に引かれている。