秘密の恋をしませんか⁈ ロミオとジュリエットの恋*ハッピーエンドになります
そこへ、父が険しい表情でやってきた。
「勅使川原総監、ようこそいらっしゃいました」
お互いに笑顔で手を握って握手しているが、お互いにバチバチと視線をむけあっている。
「久世家の次期当主のお披露目ですからね。昔を思い出しますね」
「そうですね。まぁ、最初から私のものだったんですがね」
「どうでしょ?一時期危うかった気がしますが」
はぁぁ…相変わらず仲がよろしくない。
「総監ならお忙しいでしょ。そろそろお帰りになりませんと、事件が待ってますよ」
挨拶も早々に、追い返そうとするぐらい嫌いらしい。
「いやいや、今日の日の為に、調整してきましたから、時間はたっぷりとありますよ」
「きっと、総監の指示を待つ方々がお待ちですよ」
「もう、あなた、いい加減にしてください。今日は、理央のお披露目なんですよ」
母の一喝にしゅんとして黙る父に、勅使川原総監は、口角をあげて勝ち誇っている。
「勅使川原さん、ごめんなさいね。もう、この人ったら、いつまでもね…」
母の呆れながらも父を愛しむ眼差しに、勅使川原総監は、せつなげに見つめ続けている。