私が一番あなたの傍に…
「それじゃ三階に行きますか」

百均は三階にある。エスカレーターで上の階に上がらなくてはならない。

「うん。三階に行こう」

また私を先に乗せてくれた。愁は私の後に続いて乗った。
彼の優しさが当たり前だと思わないように心がけているが、同時に彼の優しさを大事にする気持ちも失わないように心がけている。

「ありがとう。いつもさり気ない心遣いを発揮してくれて」

「ん?何のこと?俺は何もしてないよ」

敢えて気づいていないフリをする。まるで何も気遣いをしていないかのように。
でも本当は知ってる。愁は気づいてほしくないんだ。自分がしている気遣いに。
知らないフリをする彼に話を合わせることにした。一応、私の想いを伝えたので、彼にもちゃんと伝わっているはずだ。

「なんでもない。早く百均に行こ」

三階で降りた。私の方が前に乗っていたので先におり、後に続いて愁が降りた。
そして私の横に並び、私の手を掴み、私より前に出た。

「百均はこっちな。行くぞ」

一度マップを見ただけで、よく場所を把握しているなと感心させられた。
私はただ黙って付いていくだけなので、ほぼ楽している。

「さすが愁。頼りになりますな」

「まぁな。色々俺に任せろ」

本当に色々頼りになる彼氏だ。これから先もずっと私は頼りっぱなしな未来が想像できた。

「お言葉に甘えて、今後ともよろしくお願いします」

「おう。任せろ。これからも頼りがいのある彼氏を目指すんで」

何の躊躇もなく未来の話ができる。さも当たり前かのように。
初めての彼氏と未来の話までできるなんて思わなかった。
これを運命の相手というのかもしれない。もう何が起きてもこの縁は切れない。そう確信できた。
< 128 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop